葬儀・告別式のお料理、精進落しについて
前回は、「お通夜のお料理 ― 通夜ぶるまい ―」について書かせていただきました。
お客様からよくこのご質問も頂くのですが、そもそもお通夜の料理と、
お葬式の時の料理ってなにが違うのでしょうか。
お葬式の時のお料理とは精進落し(しょうじんおとし)の事をさします。
あまり聞きなれない言葉ですね。
かつては49日間の忌中の間、肉や魚などの殺生した料理は食べずに、
喪が明けてから解禁となったので精進落とし、精進上げなどと言われていました。
現代では葬儀・初七日法要後に故人を偲んで親族などの近しい方とお食事をする事を精進落しとしています。
お通夜のお清めの席と同じく、お礼という意味あいが強いです。
初七日法要というのは読んで字の如く、「お亡くなりになった日を含めて七日後に行う法要」です。
あくまでも東京でのご葬儀の話ですが、これもまた現代では略式になっていまして、
葬儀のお経に引き続き初七日法要を始める事がほとんどになっています。
(葬儀場や火葬場が通年込んでいるので、葬儀の日が7日後になってしまう事もあると考えると理にかなっているのかもしれませんが・・・)
ですので、精進落しは、葬儀と初七日が終わった後にする事になります。
終わった後というのは、火葬場での休憩中に(火葬中という意味です)精進落としをする場合と、
収骨(骨上げ)が終わった後のどちらかに行います。
精進料理の内容は、かつては入っていなかった肉や魚も当たり前のように入っています。(おいしい方がいいですからね)
お通夜のようにお寿司の桶があり、オードブルがありと大皿から取り分けるタイプではなく、お一人お一人のお膳になっています。
精進料理の料金は、どの葬儀社も概ね3000円くらいからの品を用意しています。
それ以下のものもありますが、あまり安いものは見栄えが悪くなるのも事実です。
葬儀社やお料理屋さんにカタログを見せてもらって、値段を含めどれにすればいいのか迷ってしまう方は、次の方法はどうでしょうか。
値段の高い物は見た目が良いのですが、ボリュームもかなりあります。
参列者の平均年齢を見るのも目安になります。ご高齢の方はたくさん召し上がらない傾向にあります。
また精進落としをする場所にも注目してみてください。
火葬場の休憩中に精進落としをするなら、(収骨までの)時間があまりないので品数のある高い料理を注文しても意味がないかもしれません。
またその逆で精進落としのできる料亭などで行う場合は、安くて品数の少ないものでは、寂しい感じになってしまう可能性があります。
皆様のご葬儀をする場所により、それぞれの特徴があるので、
「どの料理がおすすめなのか」に加えて、どの場所でどのくらい時間があるのかなども葬儀の担当者さんに聞いてみる事をおすすめします。
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